自律神経失調症とは、自律神経のバランスの乱れで起こる症状

自律神経系とは、呼吸や消化、排泄、体温調節、血圧など、基本的な生命活動の維持に働いている神経系のことを言います。
自律神経系はほぼ全身に分布していて、私たちが起きている時も寝ている時も絶えず働いています。
自律神経系には、交感神経と副交感神経の2つの神経系があり、お互いに相反する役割を持っています。
・「交感神経」・・・朝起きて活動を始めるとき、誰かとけんかをしているとき、仕事中、試合や運動中などに活発に働く。
このとき体は、心拍数を増やす、血圧を上げる、消化管運動を抑えるなどの変化があります。
・「副交感神経」・・・入眠するとき、就寝中、のんびり休んでいるとき、食事をするとき、排泄のときなどに活発に働く。
このとき体は、心拍数を減らす、血圧を下げる、消化管の運動を亢進するなどの変化があります。
ところが何らかの原因によって自律神経のバランスが乱れると、さまざまな心身の不調が表れます。
これを自律神経失調症といいます。
例えば、日常的にこんな症状が起こります。
「まだ昼間なのに仕事中疲れる、無気力になる」
「眠りたい時に交感神経が活発になり、目が冴えてしまう」
これくらいなら誰だって経験があるのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれません。
自律神経失調症とはそれほど一般的で、大人から子どもまで誰でもかかる可能性のある病気なのです。
自律神経と便秘には関係がある
自律神経は消化管の働きをつかさどっています。
大腸の働きを活発にするのは副交感神経です。
自律神経のバランスが崩れ、交感神経ばかりが活発になると、その間副交感神経の働きは弱くなります。
そうすると大腸の働きが抑えられ、便秘になるのです。
交感神経は心身のストレスによっても活発になります。
イライラや不安、緊張など精神面の問題だけでなく、昼夜逆転の生活や食事の偏りなど身体の問題も、自律神経のバランスを乱す原因になります。
「ストレスや生活習慣が原因で便秘になる」とよく言われるのは、こういうわけなのです。
自律神経失調症と便秘を併発していると、便がウサギの糞のようなコロコロとした形になります。
便が体内に残っているような感覚もあり、排便後もスッキリしません。
また、食べすぎや飲みすぎといった心当たりもないのに、お腹の張りや下痢の症状がある方もいます。
自律神経失調症では、症状の種類や程度によって治療法が違うため、
その症状の原因を取り除く治療を行います。
リラックスできる環境をつくり、規則正しく生活する

夜はゆっくり入浴するなどリラックスできる環境をつくり、眠れなくても横になる。
朝起きたら、カーテンを開けて日光を浴びる。
基本的なことですが、規則正しい生活を心がけることが、自律神経失調症や便秘の予防につながります。