便秘が原因で身体は様々な問題を抱えることになりますが、その中でも自分で簡単に把握できないのが腸内環境の悪化です。
腸の中は自分で確認することができないので、普段どのような状態なのか意識しておきましょう。
腸内環境の悪化ってどういう状態?
腸内には、100 種類以上、総数 100 兆個もの腸内細菌が生息しています。
その腸内細菌は3つに分類することが出来ます。
・人体にとって良い影響を及ぼす細菌(善玉菌)
・悪い影響を及ぼす細菌(悪玉菌)
・善玉菌と悪玉菌、優勢な方に加勢する細菌(日和見菌)
の 3 種類があります。
これら3つの腸内細菌の集まりのことを「腸内フローラ」とも呼びますが、この腸内フローラのバランスが毎日の健康に影響を与えているのです。
腸内環境が悪化するということは、腸内で善玉菌の割合が減り、悪玉菌が優勢になってしまっている状態をいいます。
腸内細菌の大部分は日和見菌が占めており、常に優勢な方の肩を持つという性質があるため、悪玉菌が優勢になると一気に悪玉菌の味方になるので、腸内環境がすぐに悪化してしまいます。
腸内環境が悪化する主な原因として便秘が挙げられます。
腸内に長くとどまった食べ物のカスが腐敗すると、 悪玉菌が発生して腸内環境を悪化させるというわけです。
腸内環境が悪化すると、免疫力の低下で病気になりやすくなったり、肌のトラブルなども起こりやすくなります。
腸内環境が悪化する理由は?
食生活の乱れ
現代の日本では食が欧米化しましたよね。
江戸時代の頃は穀物、野菜や魚類中心だった食生活が、肉中心の食生活に変化しました。
悪玉菌はタンパク質をエサにしているので、消化に時間がかかる肉類ばかり食べていると 腸でゆっくり消化しながら、どんどん悪玉菌が増える原因を作ることになってしまうというわけですね。
また、ストレス発散のために暴飲暴食をしてしまっている方も現代では多いと思いますが、 これも腸内環境を悪化させる原因になります。
自律神経の乱れ
自律神経とは、意識とは無関係に体の動きをコントロールしている神経です。
「交感神経」と「副交感神経」の 2 つがあり、これらが交互にバランスを取りながら、心身を整えています。
交感神経とは緊急時やストレス時に働き、心身を活発にする神経です。
逆に副交感神経は休息時などリラックスしている時に働きます。
また副交感神経は腸の働きもコントロールしており、自律神経の乱れは腸内環境に直結します。
生活習慣の乱れ
現代人の生活の多くは、仕事中心に動いているといっていいでしょう。
このため、食事の時間や睡眠時間が不規則となり、生活習慣に乱れが生じます。
生活リズムが乱れてしまうと、夜に自然な眠気が訪れなくなります。
人間に絶対必要な睡眠の質が下がってしまうと、疲労も溜まりやすくなるのです。
疲労している身体は体調不良になりやすいので、悪循環になってしまうというわけです。
ストレス
ストレスがたまると自律神経が乱れて腸の働きが悪くなり、腸内環境を悪化させます。
ストレスによって自律神経の働きに問題が起こると、 体の中に大腸の粘膜を傷つける物質が分泌されてしまいます。
さらに、ストレスによって腸内環境が悪化すると、 神経系を介してそのストレスは脳に伝わり、 うつ気分や不安など脳のストレスとして、 情動変化を引き起こす悪循環に陥ってしまうこともあります。
便秘が原因で悪化した腸内環境を整えるには?
腸内環境が変わる期間はおよそ 1 週間程度と言われていますが、悪玉菌が多い場合だと、 人によっては 1 ヵ月から長ければ半年以上かかるともいわれています。
長期間腸内環境が悪化してしまうと、身体だけでなく精神も消耗してしまいます。 便秘が原因の場合は目の前の便秘をすぐ改善しましょう。
酷い痛みを感じたりする場合は、急いで病院の診察を受けてください。
長期間ストレスを抱えたり、苦しみながら腸内環境を改善するのは辛いので、 便秘が原因の場合は、まず目の前の便秘を解消しましょう。