ストレスがたまると、体に様々な症状を引き起こします。
実は、便秘もそのうちの一つということをご存知でしょうか。
今回は、便秘とストレスの関係について、ご紹介いたします。
ストレスって何?
ストレスという言葉は日常的に聞く言葉ですが、そもそもストレスとは何なのでしょう?
ストレスとは、身体や精神に負担があった時に、引き起こされる生体機能の変化のことを指します。
胃腸などの臓器は、ストレスの影響を受けやすいですね。
ストレスで胃が痛くなった、ということはよく聞く話です。
ストレスと腸の関係性
ストレスを受けると、腸にはどのような影響があるのでしょう。
またその結果、どうして便秘になってしまうのでしょう。
詳しく説明していきたいと思います。
腸は「第二の脳」
脳と腸、体の遠い所に位置しているので、あまりつながりがないように感じるかもしれません。
しかし実は、脳と腸は自律神経で密接につながっています。
少し話がそれますが、
赤ちゃんがまだお母さんのお腹にいる頃は、細胞分裂を繰り返して成長していきます。
その細胞分裂の過程の中で、様々な臓器が作られていくのですが、
実は脳と胃腸は同じ「神経管」から生まれているのです。
人間の形となり生まれてくる頃には、遠くに離れている脳と腸は、
実はお互いに、こんなに近い存在だったのです。
腸は本来の消化吸収や排泄の働きをしつつも、神経の動きを敏感に感じる臓器です。
また、脳と腸の神経構造は似ているので、腸は「第二の脳」と呼ばれているのです。
それだけ、腸というのは、脳のようにストレスを感じやすい臓器なのですね。
体に大きな影響を与えるセロトニン
「セロトニン」という、神経伝達物質をご存知でしょうか。
たまにテレビなどで聞く言葉かもしれません。
セロトニンとは、人間の精神状態に大きくかかわる物質で、
「幸せホルモン」とも呼ばれています。
別名からも分かる通り、正常にセロトニンが出ている時には、
心身を安定させ、安らぎを与えます。
しかし、セロトニンが不足してしまうと、暴力的になったり、
最悪の場合にはうつ病などの精神疾患にかかることもあります。
このセロトニンは、脳内にしか存在しないと思われていたのですが、
実は腸にもあることが発見されました。
しかも、体内のセロトニンの90%が腸で作られているそうです。
そのため、ストレスが原因の腸の病気は、
このセロトニン不足が腸の働きに影響を与えている、と考えられています。
ストレスが腸に与える影響
では実際に、ストレスは腸にどのような影響を与えているのでしょうか。
ストレスを感じると、自律神経の中の交感神経が活発になり、副交感神経はうまく働かなくなってしまいます。
腸というのは実は、副交感神経が優位の時の方がよく働きます。
そのため、ストレスを感じると腸の動きは乱れ、痙攣したような状態になるため、便秘にもなりやすくなってしまうのです。
ちなみに、ストレスが原因の便秘を「痙攣性便秘」と言います。フォームの始まり
ストレスによる便秘の解消方法
ストレスが原因の便秘の場合、刺激性の便秘薬を服用することは逆効果になる可能性があります。
ストレスを感じている時、腸はいつもより動き過ぎている状態なので、
そこに刺激を与える便秘薬を服用してしまうと、悪化してしまうのです。
どうしても便秘薬を服用したい場合には、医師に相談することをおすすめいたします。
食事で解消したい時には、
便に水分を与える「水溶性食物繊維」が含まれているものを摂って頂ければと思います。
ストレスによる便秘は、便がコロコロの状態になっているため、
水分を与えて便の滑りを良くすることが大切です。
水溶性食物繊維は、海藻類や果物に多く含まれています。
ストレスによる便秘の解消方法をご紹介しましたが、
一番の解消方法はストレスをなるべく溜めないようにすることです。
胃腸の動きというのは、自分の意思ではコントロールできないので、
知らず知らずのうちにストレスが原因の便秘になっていることもあります。
ストレスを感じたら、あまり無理をしないようにし、自分なりのストレス解消方法を見つけましょう。